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変身

朝起きると、ぼくは人間になっていた。

昨日まで、家族だった彼らは

ぼくが近づくと逃げていく。

昨日まで、毎日つかっていたあの抜け穴

この大きな体ではくぐれない。

あたまがやたらに重く、バランスがとれないようだ。

人間に触覚がないことを、不思議に思っていたけれど

なるほど

これならいらないわけだ。

これが、見えるということだ。

これが、聞こえるということだ。

これなら、触覚がいらないわけだ。


歩いてみる。

足が二本しかなく、さぞ不便だろうと思っていたが

この手の便利さときたら、どうだろう。

ちょこちょこ、よく動くものだ。

これが、指か。

ひとつだけ、反対を向いているんだな。

これが、親指か。

太古の昔、人を人にしたのが、

この親指なのだな。

親指だけが、他のすべての指を触れるようだ。

だから、親指と呼ぶのかな。


人間の世界も、おもしろそうだ。

ひとつ、楽しんでやろうか。


おっと、迂闊に歩くものじゃないな。

これはどうやら、仲間を踏んづけてしまったようだ。

昨日までのぼくは、家族から再三

人間には注意するように言われていたのにな。

不思議なものだな。

いまぼくは、その彼らを踏み殺してしまったわけか。

まあ、いいか。

人間は、理由もなく、命を壊す生き物だって

お父さんも、おじいちゃんも、言ってたものな。



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NoTitle

おはようございます!
とっても楽しい記事でした☆☆☆

カフカの「変身」、高校生の時に、読書感想文を書くのに
短くてちょうどいいやって軽ーい気持ちで読んだ本です。
なかなか味のある短編ですよね。
今でも、朝起きて虫になってたらどうしようと想像してしま
うことがあります。もう1回読みたくなりました。

視点を変えたり立場を変えて想像してみるってとってもいいですね~
今まで見えなかったものが見えたり感じたりできるかもね♪
私も今日は、庭に転がっている石ころにでもなってみようかな。

くまねこくん、おはよーございます。

高校生でカフカは、すごいですね。ぜひまた、読んでみてください。映画も本も、ほんとにいいものは、何年たってもまた楽しめますよね。感じるものも大きく変わってたり。

お庭の石はいったいなにを見ているのかしら。考えると楽しいですね。空想はおもしろいです。お金かからないしw、自由になれます。

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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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