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宝箱

とある海の、はての、はて。

そこには、すばらしいたからばこが、あるといいます。

王様も、たんけんかも、おぼうさんも、まちのみんなも

そのたからばこのなかは「なんだろう?」しらないのです。

みんな、じぶんでそうぞうして

お金じゃないかしら、とか

えいえんに生きられる薬じゃないか、などと

わいわい、話して、楽しそう。

ほんとうは、なにがはいっているのかな。

それはね、

たからばこしか、しらないのです。

「こんなにすてきなたからものがはいっているんだ」

でも、たからばこは、じぶんで開けることができないのです。

「ああ、一度でいい。

このぼくのなかにある、すてきなたからものを

一度でいいから、見てみたいなあ」

「だれか、ぼくをみつけて、ぼくをひらいて」

たからばこは、ひとり、ため息をつくのでした。

けれども、

王様も、たんけんかも、おぼうさんも、まちのみんなも

せいいっぱい、頑張ったのだけど、

いっこうにたからばこは、見つかりませんでした。


ながいながい時間がすぎて

たからばこのありかをしめす地図も

はんぶんが失われ、はんぶんはもう読めないほどによごれたり

やぶれたりしています。

ひとは口をそろえて言うようになりました。

あんなもの、うそだったんだ。

あんなもの、さいしょから、なかったんだ。

ぼくらは、ゆめをみていただけなんだ。


それでも、

たんけんかのなかには、まだあきらめず

きっとどこかにあるのだと信じて

今日もあれくるう海にたちむかうひともいるのです。


けれども、たからばこは、まだ、みつかりません。


「ぼくを見つけて」

「ぼくをひらいて」

たからばこは、きょうも、誰にも見つかることなく

おおきな海に、ゆうひがおちていくのを見つめています。

たからばこは、きょうもひとりで、きっと、ないているのでしょう。

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secret

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comment

NoTitle

面白い話です。
宝箱、見つかるのかな?見つかるといいな。

見果てぬ夢、そんな感じがしました。
光の速さで走ることができないように
この宝箱も見つからないような気がします。

あの世、あると思います
ただ、科学で証明することはできないと思います
この宝箱のように

いろんなことを考えました^^

NoTitle

実は自分の家にあった。
私なら、そういう結末を思い描きます。
外を延々と探し回って、見つからなくて、
ふと一息、コーヒーを。
そんなとき、普段使っているテーブルの下に、涙にぬれた小さな箱があった。
なーんて。

探し物は、大事なものは、外ではなくて、案外自分のうちに眠っている。
そのことに気づくかどうか、それだけ。
そんな気がしています。

NoTitle


こんばんは

いつも偕誠館主人さんの詩を楽しみにしてます

言葉って素敵ですね

NoTitle

ころなさん、こんばんはー。

ありがとうございます。
科学という船では届かない、おおきな波って確かにありますね。
きっといつか見つかるんじゃないかなあ、って
いつまでも言われ続けているような感じですかね。

いろいろ考えていただけたなら、なにより嬉しいです( ´ ▽ ` )

NoTitle

misaさん、こんばんはー。

いいですねー。
「ちるちるみちる」みたいで、夢のある結末ですね。

宝箱くんは、開けてもらうことばかりを求め、嘆いています。
自分のなかに、輝く財宝があることを、なんとなく知っているのに。

海のはてまで旅をして帰ってきたのなら
旅立つ前には見つからなかった心のなかに
宝物が見つかるのじゃないか。
ぼくもそんな風に思うことあります。

NoTitle

shin36aさん、こんばんはー。

ただの言葉の羅列が、詩であるためには
誰かからこれは詩だといってもらうことだけが、必要不可欠。
という持論がぼくにあります。
今日、この文章が、ひとつの詩になり、嬉しいです。
ありがとうございます。

NoTitle

じつは、たからばこは空っぽでした。

遠い昔、かなわぬ恋をしたお姫様が、出せない恋文を入れて海に沈めたのです。
なぜって、その恋はお姫様にとって、ダイヤモンドより美しい秘密の宝物でしたから。

手紙はとうのむかしに腐ってしまいました。
箱にはもう、何も入っていません。

誰かが見つけて開けていたら、ただの空っぽの箱だということがわかったでしょう。
皆にも、箱自身にもね。
だけど誰も見つけなければ、箱は永遠にすばらしい宝箱でいられるのです。

悲しい宝箱。
幸せな宝箱。


・・・ってオチを考えて、
ころな姫とミサさんのを読んで、あー私性格わるいわぁっておもいました。
いろんな読み方ができるのは、名作の証拠です。

Re

ピピネラさん、こんばんはー。

> 悲しい宝箱。
> 幸せな宝箱。

はぁ…。
なんて美しい結末なんでしょ…。
ぼく、このコメントでピピネラさんの瞳、
想像つきました(変態ぽいかな)w

コメント、こんなにもらえると思ってませんでした。
皆さんのえがく物語がどれも素敵で
とても、うれしくて、ニヤニヤしています。

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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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