FC2ブログ
1012345678910111213141516171819202122232425262728293012

花園

ぼくのもとに
誰もいなくなったとしても
世界中に
ぼくだけがとり残されても
なお
詩を書くだろう
それがぼくという詩人であり
それがぼくの思想のすべてだ

詩を書く者は
ひとよりなにかが秀でている
そう思っている人は少なくない
みずから詩を書きながら
そう思っている人も少なくない
ぼくの考えはちがう
詩を書く者は
詩を書くことができるものではなく
詩を書かずにはいられないものであって
それははっきり云ってしまえば片輪なのだ

人が平気でいられるのに
煙草を欲する
酒を欲する
薬を欲する
それらは依存症などをふくめた病だ
人が平気でいられるのに
詩を書くことを欲する
頭をかきむしらんばかりの
心の内の擾乱にせかされて
書かずにはいられない
それも病だ
こんな明白なことはないだらう?

たった一言でいい
その言葉をひねりだすために生きてる
詩の本質はそれを発することであり
そもそも読まれることすら
端から当てにしていないものかもしれない
蓋し詩人という生きものは
その言葉を発するときに
誰に読まれるかなど考えていない
どうすれば売れるかとも考えない
それらはみな文飾屋のやることだ
読まれるための文章というものを否定するわけではない
ただし、それは詩ではありえない

ぼくは詩人だ
書こうと思って書いているのではない
書かなければいられないから書いている
評価も流行もくそくらえだ
ただ己のことばかりをおもうがゆえに
詩を書き続けるのみの道だ
わびしく
不毛で
無意味な道だ
それでも
夢か幻のような一生において
ぼくはそれのみをなすべく
生まれてきたのだから

日々くるしみの園は
そのふところを深めるばかり
生きたら生きただけ
恥やくるしみを上塗りしてゆく
薔薇のつぼみがたえずふくらみ
ほぐれては咲いていくように
日々は毎日のくるしみを咲かせる
その花のひとつひとつを
筆先でちょんと摘みとってゆくのが
ぼくの仕事だ
花はときに飾られ
ときに撃ち捨てられ
ときにむしゃむしゃ食べられる
くるしみの園
ぼくはそこの庭師

これがぼくの詩人としての
思想のすべてです




関連記事
スポンサーサイト



にほんブログ村 ポエムブログ 散文詩へ
にほんブログ村

コメントの投稿

secret

top↑

comment

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

top↑

自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

リンク

Welcome!

OfficeK

応援おねがいします

ブロとも一覧

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR