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さくらの咲くころ
きまって憂鬱になるわたし
アスファルトの上を
音もなくすべりゆく
白いちいさな花びらさらり
それを見るたび胸にいたみ

どうしても
死にたくなる
まわりを見わたせば
ひとびとは
春のよそおい
わたしは帽子を目深にかぶる
なるべく春と
目をあわさぬよう
目をあわさぬよう

そうだ
百億枚の
さくらの花びらをあつめよう
あつめたら
東京の
高いビルの上から撒こう
きつとわたしと似たような
ひとびとが胸を両手でおさえ
その場に倒れこむだろう
その数を
わたしはビルの上から勘定しよう

やつた
これ
みな友達だ
わたしと同じ苦しみだ

きつと痛快な気分だろう
いつから咲いたかこの胸中に
ふるえているこの悪意の花を
うすももいろの花びらに似せ
世に撒くことができたらば
誰のものともしれぬこの悪意
天衣無縫の幼児のころから
かいこのようにわたしの胸を
さあさあ喰らって
きづけばほら
こんなに大きくなってしまった

花明かりの向こうがわに
今度こそわたしは
この悪意をつきかえす







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偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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