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今日はあんまり寒いからと
瓦斯の節約のために普段はお湯をはらない湯船に
なみなみの湯をそそぎこんで
とぷりとつかる

すると
湯にほだされてやわらかくなってゆく手足といっしょに
こころまでがとろりとこぼれ出て
ああ、生きているということは
これほど素晴らしいことであったのか
と、にこやかにため息をつく
湯気たつその眼前の湯をすくい
顔にぱしゃりとかける

それから
そのまま
両手で顔を覆うている
おさないころ
祖父の持っていたひょっとこの面をかぶったときに
面の暗闇から垣間見たひかりの世界を
湯船のなかで再現させている

そうして
そのまま
やがてくる死への恐怖とむかいあう
生死はつねに表裏
生の歓びのなかには死への恐怖がつねにあり
その恐怖の中にこそ歓びが咲く

掌でつくったお面をといて
ぱちゃぱちゃと湯面をひっぱたいて
言う

「ふふん、それだけのことさ」





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偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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