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隣人

おおくの人がおそれている
知らないから
わからないから
精神病院ときくだけで
こわがる
さげすむ
それは
自分とは関係のない世界のように
忌みきらう
それは知らないから
それはわからないから

わたしは
病院にいるとおちつくのだ
ロビーに 受付に 廊下に
これだけおおくの人がいて
わたしと似たような病をもち
わたしと似たような闘いのなかにあることに

採血や、エックス線の室を通りすぎながら
「二階 作業療法室」の看板をみながら
入院患者のちどりあしを見守りながら
かつてここにいて
くるしみにのたうちまわった自分を思い出しながら
わたしは 長い旅をおえて帰宅したわが家にいるかのような
深い、静かな息をはくのだ

やがてまたここに入るときがくるかもしれない
けれど
決してそれは不安ではなく
不満にも思わない

ただ、快い
この気持ちをなんとしょう

同病相憐れむ
傷をなめあう獣たちのように
わたしはこうしてあなたたちの傷をなめよう
舌がヒリヒリ 麻痺したとしても
生ある限り、なめつづけよう
おなじ病の隣人たちよ




電車にのって席にすわったとき
喫茶店で珈琲をたのしんでいるとき
わたしはあなたたちのそばにある
健常者のみなさん
わたしは精神障碍者である
わたしはあなたたちの隣人である
たんすにも金庫にもおしこむことのできない
狂気、狂人は
今日もあなたのすぐそばにあり
意欲している
呼吸をしている
わたしはただ苦しむ
わたしはただ必死で生きる
それは
あなたたちと 何もちがわない
わたしはあなたたちの隣人である。





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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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