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飯場者ブルーズ

わずかなデヅラでパンを買う
それは彼の毎朝の習慣
仕事が始まる二十分ほど前
会社のちかくの公園のベンチに腰かける

百円で買ってきたパンを
ちぎっては投げ
ちぎっては投げる
それはすずめを養うためだ

故郷の函館には
もう何年帰ってないだろう
飛行機など乗る金もなし
いちにち働いて食うだけで終わる

郷里は北国
死ねば帰るか
肉体労働の日雇いならば
動けなくなったら骨になる

すずめはチコチコ走り回るが
何倍もの大きな体のはとが
さっとパンをかすめてしまう
すずめは五羽 はとは二十羽

仕事が終われば
三日に一度は飲みにいく
十五年 通い続けている店に
体のどこかに泥をこっそりつけたまま

店のママのことなら家族よりくわしい
ママの妹は恋人だし
三歳だったママの娘は大学生になり
父の日になにがほしいかと尋ねてくる

ママの離婚の原因も
そのあいだの葛藤や苦悩も
かきまわす酒に こぼした涙も
彼はすべてを見守ってきた

死ねば本当に帰るだろうか
郷里に誰もいなくなれば
彼の骨はどこへゆくのだろうか
筋肉も体力もおとろえてゆくのに

動けなくなってしまえば
飯場から去るよりほかない
何も誰も保証などしてくれない
彼はその腕いっぽんで生きているのだ

昼になれば粗末なパンに缶コーヒー
すずめにやるパンをきりつめれば
もうすこしいいものも食べれるだろう
もうひとつ自分で食べれるだろうに

函館の夢を
見るだろうか
いまの彼をみている限り
函館よりも すずめのほうが郷里に近い







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secret

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No title

すずめ、かわいいですよね
きっと、かわいいからエサをあげるのだと思います。
理屈では言えないものです。

きつい仕事でも
どこかに安らぎが必要ですね。
私たちは、ここの世界でしょう。

この話、誠さんが考えたものでしょうか?
悲しい雰囲気だけど
どこかひきつけられるものがあります。

七瀬さん

コメントありがとう。


> すずめ、かわいいですよね
> きっと、かわいいからエサをあげるのだと思います。
> 理屈では言えないものです。

かわいいですね。
ぼくはすずめの歩き方が大好きです。
あんなにちいさい体でよく飛べるものだと思います。


> きつい仕事でも
> どこかに安らぎが必要ですね。
> 私たちは、ここの世界でしょう。

そうですね。
みな、なにかしらそういう場所を求めているんでしょうね。

> この話、誠さんが考えたものでしょうか?
> 悲しい雰囲気だけど
> どこかひきつけられるものがあります。

一人の日雇い人夫がモデルになっています。
全部、本当の話です。
仕事しながら身の上話を聞いていて、
心に残ったので書いてみました。

No title

その日雇いの日銭でほそぼそと生きている自分と
そのちいさなすずめの姿が重なって見えていたのかもしれませんね

郷里の函館よりも近い存在と感じているのは
多分、自分が死んでしまって骨になったとき
心の通わない郷里の土に埋まるよりは
この小さなすずめと一緒に土に埋まったほうが
まだしも幸せであると
そんなふうに感じているのかな
なんて、そんなことを思いました

陽炎さん

コメントありがとう。


> その日雇いの日銭でほそぼそと生きている自分と
> そのちいさなすずめの姿が重なって見えていたのかもしれませんね

なるほど。
たくさん群がってくるはとをうまくよけて
すずめがちゃんと食べれるようにパンを投げてるのが可笑しいです。

> 郷里の函館よりも近い存在と感じているのは
> 多分、自分が死んでしまって骨になったとき
> 心の通わない郷里の土に埋まるよりは
> この小さなすずめと一緒に土に埋まったほうが
> まだしも幸せであると
> そんなふうに感じているのかな
> なんて、そんなことを思いました

中島みゆきの異国のような読み方ですね。
そうなのかもしれませんね。
日雇いの人たちは飯場から飯場へ流れ
なんの保険も保証もなく生きています。
そのたくましい生とは裏腹に
いつも崖っぷちで腕一本で食べてる姿を見るのです。
そういう人たちを使って仕事をしていると
色々学べるし、刺激的です。

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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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