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風のなかを歩く

ぼくにひとつの
ポケットがある
かなしみを
いれておくための
おりにふれて
とりだして
さわってみるための
ポケットがある

そこに両手をつっこんで
ゆびさきでころころ
まさぐりながら
風のなかを歩いている
歯食いしばるうち
しめってしまったのどちんこ
空にむけて
乾かすために
言葉でないもの
叫んでみたり

ふと
風が吹いたくらいのことで
ぼくらはたやすく
狂うのだろう

ポケットから
ひらりこぼれた
ひとつの言葉
「あんたにひかりなんてなければいいのに」
蹴とばして帰り道
そのときも
あのときも
風のなかを歩いてきたのだ

ぼくらは
この夏の
青い嵐のなかに
ひとりぽっち
さみしくなんてない
ひとりぽっち
祈るように
風に向かう

ふと
雲がしりぞいて
陽がさしたくらいのことで
ぼくらは
たやすく
狂うのだろう

ぼくにひとつのポケットがある
そこに両手をつっこんで
ぶっきらぼうな顔をして
風に涙を乾かすのだ
風のなかを歩くのだ





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No title

ヒリヒリしますね

風が吹いたくらいで
陽が差したくらいで
ぼく(ら)は狂ってしまうくらい
ギリギリの、一歩間違えば
踏み外して落っこちてしまいそうな
そんなギリギリのところで
どうにか生きることを継続している

悲しみを入れておけるポケットがあるから
どうにかギリギリでいられるのかもしれない

そんなことを思ってみたりしました

陽炎さん

コメントありがとう。

> ヒリヒリしますね
> 風が吹いたくらいで
> 陽が差したくらいで
> ぼく(ら)は狂ってしまうくらい
> ギリギリの、一歩間違えば
> 踏み外して落っこちてしまいそうな
> そんなギリギリのところで
> どうにか生きることを継続している

いま生きていることが当たり前ではない
ということを不意に思う瞬間があります。
発狂する崖のへりにつったっているんだと
思わずにいられない瞬間があります。
ある意味では、その瞬間のために生きているのかもしれません…。

> 悲しみを入れておけるポケットがあるから
> どうにかギリギリでいられるのかもしれない
> そんなことを思ってみたりしました

そうなのかもしれません。
草刈りして帰ってきたら草がそっと入っているように
いつのまにかポケットにたまっていくのです。

No title

言葉の力、すごいです
ほんのささいな言葉でも
ものすごく刺さるときがありますね。

自然の動物たちは、生きるか死ぬか
でも私たち人間だって
言葉の世界で生きるか死ぬか
なのかもしれません。

かなしみのポケット、必要なのかな?
楽しいポケットがいいな。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

光里さん

コメントありがとう。

> 言葉の力、すごいです
> ほんのささいな言葉でも
> ものすごく刺さるときがありますね。

そうですね。
それをどう使うかが大事だし
それがその人の生き方を表しているような気もします。

> 自然の動物たちは、生きるか死ぬか
> でも私たち人間だって
> 言葉の世界で生きるか死ぬか
> なのかもしれません。

言葉は人間にとって「自然」なのか、人為なのか。
ちょっと考えてみたら面白いことですよね。
すずめがずずめの仲間を、鳴き声で殺したりしないですよね。
人間というものはほんとに不思議です。

> かなしみのポケット、必要なのかな?
> 楽しいポケットがいいな。

ないほうがいいかな^^
でもずっとそれを持て余して生きてきたのだから
これからも付き合っていこうと思います。
楽しみはポケットにたまりませんね。
時間と一緒に流れていきます。

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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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