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異境へ

頭髪をかきむしると粉雪のようなものが
際限なく降りかかるようになって三日目に
人間として生きるとは一体どういうことだろうか
と、君は考え始めた

くわえた煙草の先に火をつけることを忘れたまま
誰にもおそらく見つけられないだろうものを
見つけてしまったつもりで軽く狼狽した君
それは街路樹の楓の葉先の天道虫だ

楓の新緑と新しい天道虫
新しい朝日と傾いた鍍金工場
工場のなかで汗を光らせ働く黒人
太い腕の先の手袋が煤に汚れても彼の肌ほど黒くない

無垢な悲しみを君はいまもっている
さみしさはだめだ、あれはもう汚れっちまった
君の場合、まだ純粋なのは悲しみだ
雨のように光さす破壊するばかりのノスタルジア

最後は頭を破裂させて逝きたいと君は言う
考え続けていると脳が熱をもってきて
そのうち曇った痛みが右目の奥のほうからきて
破裂を予感させるもののそこまで考え詰めたことはまだない



無益な散歩と言葉遊びに
少年の頃の青白いうたをよみがえらせる企みに
透明なタクトをふりまわしながら

社会からつまはじきにされた少年の
復讐劇を
この快晴の誠実な空の下に誓う





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偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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