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何度目の春

膨れ上がった青空の向こうの春に
目いっぱい手を伸ばしてみているけれど
春は街路のあっちから
舌を出してあざわらうばかりだ

斜めにさす午後の光線の落とす影に
埋もれちまった春を掘り起こさんと焦るけれど
汗のにじんだうなじから
滑り落ちながら莫迦みたいに哂っているのがそれ春だ


春のサーカス団だ
空中ブランコの桜、さくら!
トランポリンの虫たち、むしたち!
仔をうむ野良猫に、のらねこ!
首つる狂人、はるがきた!
春のサーカス団がやってくる
名前のないこどもたちをたくさん引き連れて
この街を去る時には、きっとまた
青っちろい顔したこどもたち
きっときっと増えてるはずだよ


病にふして打ちひしがれるぼくのもとに
友から帰ってこいの便りが届いたけれど
背骨から出てきた不安の小人が
血まみれになって震え鳴きつづける携帯の真似してふざけている

さらさらと春の川の流れの見えるところに
座り込んでしずかに眺めていたいけれど
頑なにひきつった筋肉に傷んだ膝が
うんと手前の丘のベンチに座らせただ車の流れをみせ続けている

車の流れはさらさらと川みてえに流れて
中原の詩をうたう友川の声に合わせて
火をつけたタバコが煙をおどらせて
そのまま、春に溶けていくのか
そのまま、空になっていくのだ

胸の中の悲しみも
そっとひらけば
そのまま空になっていくのだ

そのまま、全部春に溶けるのだ




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No title

春ですね
野山は春を喜んでいますね
かえるたちも飛び出してくるかな
自然は春を楽しんでます

でも、自然は厳しいです
みんな、命がけ
だから、美しく見えます。

だから・・・つまり
私たちも悩んでるけど
すごく苦しいです。
でも、もしかしたら
だれか見てくれてる人がいるかも
そう思うと
やっぱり生きてみようかなって思います。

春は遠いところに見えるけど
すぐ隣にあるのかも

光里さん

コメントありがとう!

> 春ですね
> 野山は春を喜んでいますね
> かえるたちも飛び出してくるかな
> 自然は春を楽しんでます
> でも、自然は厳しいです
> みんな、命がけ
> だから、美しく見えます。
> だから・・・つまり
> 私たちも悩んでるけど
> すごく苦しいです。
> でも、もしかしたら
> だれか見てくれてる人がいるかも
> そう思うと
> やっぱり生きてみようかなって思います。
> 春は遠いところに見えるけど
> すぐ隣にあるのかも

春は苦手です。
でも光里さんの言うとおり
土の中から飛び出してきて
命を陽光にむきだしにして
懸命に生きる無数の命たちを見本にして
ぼくも頑張っていきたいです。

そう、みんな、命がけだから美しいのですね。
なるほど。

No title

偕誠さんの書かれた詩文は胸を刺します。
心地よい言葉や綺麗ごとを並べて糊塗したようなものではなく、
痛みそのものが伝わって来るようです。
僕は真実の意味から目を逸らし、偕誠さんはそれを見つめようとしています。
僕など遠く及ばない世界です。
いつまでも読み続けていきたいと思っています。
ありがとうございます。

otosimonoさん

コメントありがとう!


> 偕誠さんの書かれた詩文は胸を刺します。
> 心地よい言葉や綺麗ごとを並べて糊塗したようなものではなく、
> 痛みそのものが伝わって来るようです。

とてもうれしいです。
ぼくにとっての詩、あるいは文章と言うのは魂の表白です。
自分でもおおげさに言ってると思いますけど、そうなんです。
昨夜も、妻とその姉との三人で、「グロテスクの美」について
日付変わるまで話しました。彼女らは、醜は美の対極と言って譲りませんでした。
ぼくはグロテスクの美があると思ってます。
ずっとそれを、グロテスクをあらわす者として生きていきたいのです。
一番のグロは、人間(ぼくの)内部と思ってます。

> 僕は真実の意味から目を逸らし、偕誠さんはそれを見つめようとしています。
> 僕など遠く及ばない世界です。

otosimonoさんがおっしゃてたように
きっといつかの「さぼうる」で、近い席でコーヒーを飲んでたと思います。
頭の中には似たようなまったくちがうようなことをぐるぐるさせながら。
同じようなところに棲んでると思います、ぼくは。

> いつまでも読み続けていきたいと思っています。
> ありがとうございます。

とっても励みになりました。
ありがとうございます!

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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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