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こどもの遊び

顔のない
少年のぼくが
ここにはいて

名前のない
体温のない
肩書のない
ただのぼくが
ここにはいて

はらわたを
ひきずりだすように
言葉をひねりだそうと
あせを
こぼしている
つめたい
あせを


わすれなぐさの
根もとのよこに
わすれてきた
しめった箱に
ぼくはあたまから
飛びこんで
その箱の内側から
鍵を
かたん
と、おろしたい

豚が歩き回る
きらびやかな
夜の社交場には
ぼくの席はどこにもない

「ここだよ」
「ここが君の席だよ」

ちがうよ
だってぼくには
名前がないもの
その名札の名前だって
本当はぼくのことじゃ
ないのだもの

だから
あのときの
夕焼けの土手に
おきわすれてきた
透明な
ちいさな
きたない
箱に
いつか訪ねていくってば
君を
訪ねていくってば


じょりじょり
いびつに刈り上げた
左右非対称に刈り上げた
じょりじょり
じょりじょり
これはぼくの心象を
ヘアースタイルに
貼ったのです
それだけのことなのです

明るい色の
健康なノートブックに
書き込む言葉は
ぼくに似合わない
ぼくはとりの囀りに
気後れして
ペンを棄てた
あのペンは
いまごろどうしているかしら
元気で
食いっぱぐれていなけりゃいいが

元気です


あの空は
いまでもあそこにあるかしら
ずっと遠くの
山をなんこも越えたさき
いつもぼくを睨んでた
あの山は
いまでもあそこにあるかしら
山から降りてくる風の音も
いぢめる雨の冷たさも
かかとのつくる血だまりも
いまでもあそこにあるかしら

元気です

やっぱりそうだ
きっと
そうだと思っていたんだ
生きていかなきゃいけないんだ

ぼくの最期が
suicideだろうと
予言したあいつは

かっさばいて死んぢゃった
おまえもそうして死ぬだろうと
脅迫したあいつももう
川に溺れて死んぢゃった

ぼくの父さん
死んぢゃって
ぼくのコンパス
壊れたんだ

元気ですか

ここにいます

涙をてんぷらにできたらな
嗚咽をやきそばにできたらな
悲哀をかきあげにできたらな
センチでご飯が炊けたらな

吐くのはイヤじゃけ
呑み込んでやれ
出すのはイヤじゃけ
聞いてやれ
閉じて
塞いで
蓋をして
どっかに消えていくんじゃろ
いつかどっかに消えるじゃろ?

『意味なし笛』が聴こえない!
こんなに、耳を、そばだてて、いるのに!
ああ!
悲憤慷慨!
ぺぺぺのぺ

元気ですか

ここにいます



飛ぶとりの
影はぢめんにごじゃります
とりは火を背に
青を逝きます


元気ですか

ここにいます



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元気です。
私はここにいます。
いままで来れなくてごめんなさい。

あなたの痛みは、あなたの痛みで、わたしの痛みにはなりえない。
だけど喉から溶岩を吐き出すような、きっとそんな気持ちであなたが書いた詩の、むせ返る硫黄のにおいが私に伝わるのは、あなたに力があるから。
書き続けてください。
あなたは良くも悪くも非凡人で、だから書かなくちゃいけない。

私ももう一回がんばってみます。

ピピネラさん

ご無沙汰でした。
あたたかいコメントありがとう!


> 書き続けてください。
> あなたは良くも悪くも非凡人で、だから書かなくちゃいけない。
> 私ももう一回がんばってみます。

うん。
頑張ってみる!
ちゃんと見てくれてるひとがいるから。
もうすこし、待っててね。

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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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