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グザヴィエ・フォルヌレ

シュルレアリストたちが1927年に発見した、彼らの先祖。

無名の詩人。

Wikipediaにもないようだ。

フォルヌレとは、どんな男だったか。

下の一篇の詩が、それを語るだろう。






『恥を知る貧乏人』


穴のあいたポケットから
ひっぱり出して、
目の前に置いた。
つくづく眺めて、
「かわいそうに!」といった。

湿った口から
息を吐きかけた。
ふっと心をとらえた
おそろしい考えに、
ぞっとした。

溶けて流れた
水の涙で
濡らしてやった。
大市場よりもっと
隙間だらけの部屋だった。

ごしごし擦ってやったが、
一向に温まらず、
ほとんど感覚も失せていた。
刺すような寒さに
かじかんでいたからだ。

ある思いつきを吟味するように
宙にかざして
吟味した。
それから針金で
寸法を測った。

皺の寄った唇で
触れてみた。ーー
物狂おしく
こう叫んだ、
「さようなら、接吻しておくれ!」

唇に押しつけた。
それから捩子のゆるんだ
重苦しい音を出す
腹の時計の上で
組み合わせた。

殺すことに意を決めた、
片一方の手で
そっと触れた。
ーーそうだ、たとえ一口でも
腹の足しにはなるぞ。

     ぼきりと曲げた、
     へし折った、
     目の前に置いて、
     ちょん切った、
     水で洗って、
     運んでいって、
     こんがり焼いて、
     食ってしまった。

ーーまだ子供のころ、彼はよく聞かせれていたのだ。
「ひもじくなったら、片方の手を食うがいいよ」と。


Xavier Forneret
(訳:澁澤龍彦)
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偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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