1012345678910111213141516171819202122232425262728293012

おしゃべりをしよう。

これからジョギングに行く。

そのまえに友よ、ぼくのおしゃべりを聞いてくれ。

体重はまた減りはじめたよ。

大好きなお米を我慢することでね。

この一ヶ月でやっと5kg落ちたんだ。

誕生日までにあと10kg落としたいと思ってる。


おっと、そんなことが言いたいのではなかった。

一番言いたかったことを忘れたよ。

しゃべってるうちに思い出すかな。


毎日決められた時間に

ちゃんとくすりを飲んでる。

先日妻ちゃんがくすりを整理してくれたんだけど

そのときに改めてこう思ったらしい。

「とってもたくさん、飲んでいるのね」

錠剤が入った小さな袋が、朝昼晩、就寝前のよっつ。

それが3週間分だから袋も相当の数になる。

そのなかに色々なくすりが入っている。

彼女は知らないが、ぼくはそのひとつひとつの

くすりの名前と、効果と副作用と、大体の薬価を知っている。

なかでも、副作用は体で覚えたから、もっとも確かだ。

副作用と闘うために、毎日オーバーワークだ。

朝起きるときには全身がバキバキきしむ。

でも今日もジョギングに行くよ。

だからそのまえにおしゃべりをしよう。


なんでこんなに厳しい日課をこなすのだろう。

自分でもわからない。

一体、何のために…。

答えらしきものといえば、あるにはある。

おそらく、食うためだ。

死ぬまで食うに困りたくないからだ。

屋根も壁もある、この中古の家を守るためだ。

そのためには、労働しなくてはいけない。

そのためには、できうる限り健康でなければいけない。

だから走り、鍛え、半日の飢餓に耐えるのだろう。

そのために今日もこれから走りに行くのだけど、

その前に、友よ、ぼくのおしゃべりを聞いてくれ。


ねえ、本当かしら。

本当にぼくは、食うために生まれてきたのかしら?

そして子孫を残すために?

船橋に、ぼくの娘がいる。

もう何年もあってないが、彼女にはぼくの遺伝子が

受け継がれている。

毎月、欠かさず養育費を振り込んでいる。

ねえ、どう思う?

ぼくはもう使命を果たした。

種の保存という役割を。

たったひとつのセリフしかもらえなかった役者のように

AとかBとか記号で表される役名を全うし

そしてあとは、舞台のすみで立っているだけなのかしら?

それに、なんの意味が?

なあ、友よ、友達よ!

ぼくを大きくもし、小さくもする友よ!

ぼくはいま、台所にあぐらをかき

安くて臭いたばこをふかし

だらだらとおしゃべりをしているんだ。

君に向けて!!


一行あけるたびに、ぼくを頭を抱えこむ。

これは病気の苦しみではない。

健康で、生きている故の苦しみだ。

贅沢だろう?

怠慢にも見えるだろう。

でもぼくは、この苦しみに頭を抱えこむのだ。

なんて、退屈な人生だろう!!

十代のころの夢は忘れられ

二十代のころの夢は打ち砕かれ

三十になったいまのぼくには

もはやなんの夢も野望もない。

ただ穏やかに流れてゆく

時のしじまに目を細め

時に嘆息をもらし

時に頭をかきむしる。


夢を追っている時はあっというまに一日が終わる。

ぼくはいま、日々を投げ捨てるように暮らしている。

食べ物と運動に気を使い

ここに吐き出すこともままならず

ひたすら、がむしゃら

ただ、生きている。


ああ、友よ。

なんて退屈な人生だろうね。

ぼくはぼくを生きるために

闘わなくてはいけないのに。

過去のぼくの骸から

あの純白の旗を拾い上げて

高々とかかげ、前進しなければいけないのに

頭のすみでこう呟くのだ。

「こんなはずじゃなかった」と!


こんな自分にうんざりだ。

こんな人生に、もう、うんざりだよ。


さて、ジョギングに行くよ。

話を聞いてくれてありがとう。

続きはまた…






関連記事
スポンサーサイト
にほんブログ村 ポエムブログ 散文詩へ
にほんブログ村

コメントの投稿

secret

top↑

comment

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

top↑

自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

リンク

Welcome!

OfficeK

応援おねがいします

ブロとも一覧

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR