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双極性障害

デュロキセチン、これはSNRIという

いわゆる抗鬱薬。


サインバルタという、商品名でぼくは呼んでいた。

それにトランキライザー、睡眠薬を

おそよ三か年、のみ続けていた。

医師の診断は、双極性障害2型。

いわゆる躁うつ病というやつだ。

どうしようもない躁状態と鬱状態をくりかえす。

くりかえす、疲弊し磨耗していく。


双極性障害と診断される前は

別の病院で、単にうつ病という診断であった。

結果的に、これは誤診で

処方されたうつ病の薬を飲み続けたことで

症状は悪化した。

そこへ、公私ともにいきづまる事件が頻発。

それらは躁状態のときにしでかしたこと

つまり、自業自得でかえってきたもの。

周囲のすべてのひとを傷つけたと思う。

前にも、右にも左にも動けなくなり

睡眠薬60錠ほどと酒をあおって自殺をはかった。

が、失敗。

担ぎ込まれた病院での記憶はほとんどない。

気がついたときには、当時勘当状態だった実家にいた。

むさぼるように、眠りこけた。


病院をかえて、診断と処方が一変した。

それから、躁うつとのおつきあいがはじまった。



植木屋の仕事にめぐりあうまで、

ぐずぐずとバイトをしたり辞めたりしていた。

樹木や草花をあいてにする植木屋の仕事で

ぼくはかなり救われたのだと思う。


朝早く起きるようになり

一日中外で体を動かして帰ってくるから飯も食える。

睡眠薬もよく効くようになり

毎日よる八時には眠っていた。

親方も先輩方も下戸だったので、酒の誘惑もなかった。

これは相当の幸運だった、と今になって思う。

タバコだけは、いまもやめれていないが。

とにかくそうして日々大量の汗を流しながら、

樹木や草花にかこまれて、まずは酒への依存を断っていった。


それは素晴らしい日々だった。

よる眠れるということが、本当に嬉しかった。


薬の副作用で、午前中、どうしてもボーっとしてしまう日があった。

そのたび、親方にものすごい勢いで叱り飛ばされた。

荒療治だとは思うが。

結果的にはそれも奏功した。

絶対誰にも話さなかったが、あんまり悔しいので

薬のことを親方に話した。

それがよかったのだと思う。

知ったからといって、態度を変えるような人ではなかった。

でも、持病を話せる相手と仕事をすることは

精神衛生上、悪いわけがないだろう。


高い木の梢で作業中に、頭がふらつくこともあったし

ダンプの運転中にもあった。

だから毎日、本当に必死だった。

でもそこにも救いはあった。

いままでの職場のような陰険なストレスがなかったことだ。

仕事のストレスは、みんな、日の光のしたに明らかだった。

現場では怒号を浴びるが、終われば、誰もすがすがしく

同僚の悪口をいう奴らは、そこには1人もいなかった。


なにより、植木屋の仕事は、ぼくの性にあっていた。




主治医も、それを認めてくれた。

仕事の細かい内容や、そのときの感情や、影響などを

毎回話しあった。

双極性障害についても、じつにわかりやすく教えてくれた。

自分はいま、病気なのだ、と自覚することができた。

そしてそれは時間をかければ、よくなっていくのだと

信じることができた。

先生が、とても誠実な人だったからだ。


先生と親方への感謝は、生涯わすれない。


医師が違えば、職場が違えば、ここまで快復しなかっただろう。



今年の春に、断薬に成功した。

これは、かなりの悪戦苦闘だった。

服薬さえすれば、離脱症状はすぐ消える。

それがわかっているから、苦しんだのだ。

頭がふらつき、日になんども嘔吐した。

でも、信じて戦うことができた。



人によって傷を得て

人によって支えられながら

傷は癒えていった。

どこまでも、人にまみれた数年だった。


この話には結論もない。

あえて話の筋も気にしない。



いまも、戦いは続いているし

これからもつづく。

でも、永遠ではない。

ぼくが死ぬまでの話だ。

死が、救いであることは、いまも変わらない。




このごろちょっとつかれてしまうことが続いて

昨日、トランキライザーに手が伸びそうになった。

治療はもう終わっている、と自分に言い聞かせた。

フラシーボのように気軽に飲んではいけない。

酒に逃げそうになるのも抑えた。



けど、たまに、すべてを投げ捨てたくなる衝動が

依然、ぼくのなかにはある。

ダメなほうへ、ずるずるとはいおちて行きたくなる。




人生に解を求めるな。

そんな幻想に振り回されるな。

自分のことばかり考えるな。

どんなに目を凝らしたって、そこに光はささない。

契機は外にある。世界にある。

世界を自分の内側に置くな。

誤魔化すな。

茶化すな。



正しいものなんてない。





うーん。

しばらく黙ろう。


歯車が、かみ合わなくなってきた。



めまい、と思ったが、これは地震か。
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secret

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comment

NoTitle


こんにちは

かわいいレイアウトに変わりましたね

難しい内容に返す言葉が見当たらないよ


依存を断ち切るのは相当な覚悟が必要ですね


私はアルコール依存症で、、

これは抜け出せそうにありません


Re: NoTitle

Shin36aさん、こんにちは!

> かわいいレイアウトに変わりましたね

文字をもっと見やすくしたくて
かわいい物好きなのですw


> 難しい内容に返す言葉が見当たらないよ
> 依存を断ち切るのは相当な覚悟が必要ですね
ほんとに、難しいものですね
治ったと油断しすぎていたみたい
修行がたりませんわ…


> 私はアルコール依存症で、、
> これは抜け出せそうにありません
えっ!
そうだったんですかぁ…大変そうですね
お互い無理せずやっていきましょうねー

NoTitle

今晩は。お邪魔します。

私も離脱症状で2008-2010年まで二年間
ずっと毎日、極限状態が続き虚脱死しかけました。

それから自我を完全に一度喪失し
全て失った焼け野原には、虚空と、愛だけがありました。

それから多重人格?の症状が悪化して
良く解らないけど時折、記憶が斑に飛ぶようになってしまって
言葉や思考が纏まらなくなるとか日常生活でも支障を感じています。


けど、たまに、すべてを投げ捨てたくなる衝動が
依然、ぼくのなかにはある。


良く解ります。

死を恐れなくなると、
微笑んで全てを受け入れられるけれど、
たまに特に意味も無く全てを放棄したくなりますよね。

疲れを癒す方法、何かありますか。
やはり動植物と関わる事でしょうか。
私は絵を描くことかしら。

NoTitle

Neroさん、こんばんは!

どうにも、やけのやんぱちだったから、
Neroさんのブログ読むだけで、コメ控えてました…。

昔からそうなのだけど、
ぼくはへこむことがあると、歯止めがきかなくなって
沈むとこまで沈むしかないのですよ…。
そのかわり、滅多にへこまないんです。

動植物は確かに癒してくれますけどね。
あれはぼくには漢方のような癒しで、
毎日周囲の環境にあるという事で
大きな効果をくれたんですね。

結局、沈むきることが、唯一の癒しなのかもしれません。

あとはこうした、Neroさんたちとのコミュニケーションですかね。

やけにならぬよう、自制が肝要ですね。

NoTitle

偕誠館主人さん、お早う御座います^^

またも、コメ失礼します(共感の嵐でつい

結局、沈むきることが、唯一の癒しなのかもしれません。

それは、あると思います!
私も破滅の画家ベクシンスキーだとかデスメタルや死体画像で、
絶望に浸りきる事で心を癒してます。

愛とか妙に前向きで明るい記事とか書いてる自分もいますが、
絶望さえ喪失した状態で、結局、虚空の闇がベースだったりします。
Monsterの終わりの風景みたいなものです。殺風景なのに壮大。
それを拙い言葉で綴ってる感じかも。

あとはこうした、Neroさんたちとのコミュニケーションですかね。

有難う御座います。嬉しいですね><
私はいつも言葉、不器用で、逆に励まされてしまったようで、心打たれるやら
自分が情けないやら。

やけにならぬよう、自制が肝要ですね。

強く自制すると壊れちゃうし長引いちゃうから、
時には自棄も必要なのかも。

天気の時もあれば嵐の時もあって全部ぶっ壊してしまったり雪で全部凍てついてしまったり
色々あるから豊かになるのだと思います。

また少し元気になって気が向いたらコメントとかリクエストとか
色々バシバシ飛ばしてくださいな^^

お邪魔しました

戻ってきました。

Neroさん、ただいま。

> 私も破滅の画家ベクシンスキーだとかデスメタルや死体画像で、
> 絶望に浸りきる事で心を癒してます。

ベクシンスキーさんですね、はじめて聞く名前なので
しらべてみますー

> 強く自制すると壊れちゃうし長引いちゃうから、
> 時には自棄も必要なのかも。

そうなんですよね。
バランスの問題なんでしょうね。
つい、自分はまだできると過信しがち…。
自制→解放のタイミングが難しい。


何度でもコメントください!
いつも楽しみにしてますから(^^)d

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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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