FC2ブログ
071234567891011121314151617181920212223242526272829303109

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
にほんブログ村 ポエムブログ 散文詩へ
にほんブログ村

不毛のひと

ねこが、絨毯で爪をといでも

しかりたくない。その元気がない。

タバコを吸ったあとの

換気扇がまわりっぱなしでも

とめにいきたくない。

ねこが台所に上がって

ぼくの薬をころころして遊んでても。

NEWSは、聞きたくないことばかり。

外には見たくない人ばかり。

ねこが台所のコーヒーカップを落として

割ってしまわないか

それだけがぼくの関心ごとで

世間がどうでも一向かまわない。

すきやればいいさ。みんな。

かまうものか。



昨夜は、いつぶりかな、人前で、号泣してしまった。

筆舌尽くし難い、なんて言ってないで

懸命に書いてみるから、読んで行ってくれるとありがたい。



ぼくは昨日、船橋まで

簿記の試験を受けに行った。

自己採点では不合格、次の試験は来年二月。

落ち込む要素はない。

ここ数ヶ月まったく勉強から離れていたのだから

仕方ない。

これを機に、もう一度腰を据えて…。

そう考えながら帰路についた。

途中、父さんがあのタイミングで死んでなければ、

とあたまのすみで声がしたから、げんこで殴る。

父さんのせいにしそうな自分がいや。

周囲の人は、驚いた好奇の目でぼくをみた。


帰ってきて、まずねこにご飯をあげた。

ふたりとも、ぼくのことがすきなのだ。

いい同居人だと思ってくれてるのだろう。



それからしばらく家にいて

気がついたらストレスの塊を両頬にぶらさげて

醜い顔でねこを叱っていた。

弱いやつは、さらに弱いやつに当り散らす。

ちいさな生き物へ、死んでしまった者へ。

自己嫌悪。

包丁を手に取り、喉に突き刺す。

死ねばいい、こんなばかなやつは。

ねこがかわいそうだ。



死ねない。

なぜなら、包丁はその先端を、喉の皮膚の表面に

ちょこっと触ったままなのだ。

笑えてきた。

ねこを叱りつけることはできても、自殺さえまともにできない。

臆病者め、身勝手な小心者め。

無価値感。

先日病院にいったとき、また薬が変わった。

体重増加を告げたら変わったのだ。

医者なんかきらいだ。

薬なんかで治るものか。

バカは死んでも治らないのだ。

当てにならない薬より、睡眠薬だ。

3粒ほどのみくだして

街へ出る。

「さあて、喧嘩でもしにいこうか」

かっこいいじゃないか、肩いからせてさ。

でも、こんなの、おきまりのポーズ。

できっこない。殴られる人がかわいそうだ。

とぼとぼ歩く先は土手しかない。

入水しようか。冷たい川で、すぐ逝ける。

いや、よすとしようよ。

結局あいつは太宰にかぶれたままだったなんて

葬式で言われちゃたまらないもの。

三十にもなって

はしかで死ぬようなものだって、笑われちゃ、母に悪い。


途中よった公園で木を眺めてた。

ヤマモモ、カエデの仲間、

ニレの仲間、大王松、

まっかなドウダンツツジ。

カサカサ音する、これはけやきの落ち葉。

公園をぐるぐる回る。

船橋に捨ててきた娘と同じ年頃の女の子が話しかける。

ぼくにではない。自分の母親にだ。


木を見てたら、

攻撃的な、なんというか、憤懣のようなものが

すっとこそげ落ちた気がしたので

踵を返して、帰路についた。

そこへ妻から連絡があって、もうつくというから

ふたりで花で遊ぼうと思って、

いきつけの花屋さんでツツジの仲間をひと鉢買った。

アザレア。白い斑のはいったやわらかい赤。

アザレアをもって、駅前で妻を待つ。

花見て妻が笑う。

ああ、生きていける、と思うのだ。



かえって、すこし寝て、

起きたらまた、先刻の攻撃的ななにかがむくむく湧いていて

妻に大声をあげた。

優しい妻に。

いつもせっせとぼくの世話を焼いて

ぼくの病気にぼくより詳しくなった

かわいい妻に、大声をあげた。

バカ、死んでしまえ。そう思った。

実家へいくといって、バイクで飛びだした。

死ぬつもりだった。今度こそ。

バイクでフラフラ走りながら思った。

ぼくを轢き殺したひとは

市原の刑務所に何年か入れられる。

そのひとに家族や恋人があったら、どうだろう。

じゃあ、壁にぶつけよう。

いや、無理だ。

昼間の包丁の件を思い出す。

きっと、バイクだけお釈迦にして、ぼくはけろっとしているだろう。

やめやめ、こんなことは。

帰って、妻に謝って眠ろう。

腹がすいてるからいけないんだ。

寝不足だからいけないんだ。


Uターンして家に帰ると

母が来ていた。妻の母は近所に住んでいるので

こうしてたまに買い物の帰りなどによってくれる。

最初は、ほっといてくれと部屋にひきこもったが

タバコを吸いに台所へ行ったときに

母が話しかけてきた。

ぼくはこの人を敬愛しているから、無視する訳にもいかず話した。



ぼくのあたまは狂っているんだ。

ー狂ってないよ、あんた、疲れてんだ。

だとしたら、今にも狂うんだ。

ーそんなわけない。

なんでそう言えるんだ、医者だって…

だれに、ぼくの脳みそのことがわかるんだ

死ねと言われるんだ、四六時中

あたまのなかに声があるんだ。

ーそんなやつのいうこと聞かなくていい!

ーそんなの、ぜんぶおっ母が消してやる!


消しちゃう!!

さ、ほれ、肉まんできたよ。食べる


妻は泣きながらぼくの背中をさする。

ぼくはほんとうにバカのように泣きじゃくる。

消してくれ!!

泣きながら、こころで叫ぶ。

この声を消してくれ!!




泣き疲れて、薬もきいて、ぐっすり眠る。

変わらない朝。

今日も朝から、声がする。

おまえは無価値

おまえは無意味

おまえは役ただず

おまえは木偶の坊

おまえの脳みそは腐っている

早く死ね

なぜ生きてる?

今日も人様に迷惑かけて

恥を晒して生きるのか



ぼくは今日も、朝からすでに途方にくれてしまっている。



世間がどうでもかまわないのだ。

ねこがいたずらしたっていいんだ。

この声を、消したいんだ。


死ねばいい。

死ねば消えるぞ。



さて、どうしたものか。
関連記事
スポンサーサイト
にほんブログ村 ポエムブログ 散文詩へ
にほんブログ村

コメントの投稿

secret

top↑

comment

NoTitle

苦しい時は、つらい時は、無理しないでください。
やすんでください。
いつものありきたりな言葉ですみません。

でも、何があっても、あなたの身体と心が一番大事です。
自分を追い立てる必要はありませんよ。
ゆっくりとやすんでください。

私だって臆病者です。
きっと偕誠館主人さんよりも、もっともっとビビり。
でも、それでよかったと思っています。
なぜなら自分を傷つけることができないから。
自分を傷つけない、ということは、後で悔やまないですむ、ということです。

わたしはあなたが聞く声に対して反論しますよ。
あなたは無価値じゃない。
あなたは無意味じゃない。
あなたは役立たずじゃない。
現に、私を助けてくれた。
私をいたわってくれた。
あなたは、優しい人です。
存在していい人なんです。
わたしが保証します。
ゆっくり、やすんでください。
いつか、落ち着く時間がきますから。

Re: NoTitle

misaさん、とてもあたたかいコメントをありがとう。
あなたの言葉がやさしく包んでくれたような気がします。
とにかく休みます。ありがとう。

trackback


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

top↑

自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

リンク

Welcome!

OfficeK

応援おねがいします

ブロとも一覧

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。