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date :2015年05月27日

  • 2015.05.27(水)

どちらをむいても水平線だけ
島も 船も なにもみえない
空には雲とて みあたらない
孤独な沖にあって ひとりもがいてゐる

自分が泳げるのか どうか
それも思い出せないし
どうしてこんなところにいるのかなんて
頭をひねっても思いあたるところもない

荒くれた波と波のあいだに
ひきつるように 空気をすいこむ
もがく あがく ひとりあばれる
この海の 水の なんと重いこと

音はない
ただ言葉だけがある 隔絶の海
空白に埋め尽くされた ああ 空
満ち満ちているのは言葉ばかり

もがくのをやめ
しばしふたつの手のひらで
顔を覆う
なにから守るのか なにを守るのか

やがて紐を解くようにゆるやかに
とかれた手のひら 胸元にとまり
しずかに むなしく 孤立する合掌
見上げた空から 降り刺さる ああ それはまたしても言葉だ

ここは海
海のまんなか
だれもいない
ただ言葉だけがある
空と海をわけへだてるものはわずかな濃淡
人間の孤独の境にあるのもやはりわずかな濃淡

ここは海
海のまんなか
だれもいない
ただ言葉だけがある







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叙事情詩

ことばの暴風雨のなかならば
かさなんかなんの役にもたつわけがない
目をひらけば目の中に 口をひらけばのどの奥のほうに
間断なく打ちつけてくる あいうえおの驟雨

うえむけばどんどん降ってくるっていうのに
とりこぼしてしまった地面の水たまりのぞきこんで
ああ ぼくが映ってる だなんてナンセンス
せっかくの嵐なら楽しんだほうがいいんじゃない

長靴ぬいで 雪駄でもはいて
合羽をすてて シャツだって脱いで
全身耳にして この弾丸みたいなことばの氾濫
とことんまで遊びつくせたならこたえは簡単

降ってくるものぜんぶ みんな吸いこんじまえ
渇ききった時代のもとでみすぼらしく枯れちまった街路の樹
たかだか 市井の一本の樹 だろうが 枯れてなおその姿勢は反抗期
枯れ木にくまなく雨がしみこめば 何度でも言の葉 めぶかせてみせる

切られたって 折られたって 参ったは言わないんだ
葉っぱ全部むしりとられて「まいっか」じゃないんだ
くるしみのなかで深く地下の闇にのばしてきたこの腕
根を広げてきたことにだってそれだけの意味があるんだ

ふきつづけろことばの暴風雨
まだまだこんなもんじゃ倒れっこない
さけびつづけろ罵詈雑言ストーム
そんなんじゃまだまだ殺されない
全然足りないぞ ことばの暴力
しょせん幻像のなかの妄言って程度
もっとだもっと 幻聴でも上等
全部のみこんぢゃって笑ってやるさ

いつでも耳のそばに ことばがあるって異常
だけどそういう人生をもらっちまった以上
耳すませて叫びがなりわめき いどむ戦場
誰にだってあるわけじゃない これがぼくの事情






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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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