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date :2015年05月

  • 2015.05.12(火)
  • 2015.05.13(水)

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酒宴のあと

いくら書いてみたって
埋められやしねえんだ
いくらわめいてみたって
埋められやしねえんだ

孤独!?
寂漠!?
悲愴!?
そんなたいそうなものじゃございません

だからといって書かなけりゃ
すまあとに生きれるわけじゃなし
お金がたんまりはいるじゃなし
あの子が笑ってくれるじゃなし

無意味!?
無価値!?
変人!?
だからなんだってんだよでございます

書いたって損せん
そりゃあ損はせん
なんの得にもなりゃあせんが
それでも書いたほうがましだろな!
そうせにゃならんように
生まれついた脳だものな!

呼吸するよか書いてたい
酒飲みながらでも書いてたい
そういうことなら、この間の飲み会は
詩人のおちこぼれ三人で
ちょうどよかったのかも知れねえな!
下らねえ話もそれ詩だものな!

誤解してねえか
文章こねくり回してよ
耳にいいのもいいだろうさ
共感くすぐるのもいいだろうさ、でも
叫喚の様式、それが詩じゃねえのかえ
教官なんていねえってや、国家資格でもあるめえによ!




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ある昼の叫び

ナイフよりとがらせた鉛筆で
なぐりつけるように書くのはなんのためか
折れて破片の突き刺さることを願いながら
振り回すこの右手に祝福あれ

羽毛よりさらに軽い精神
煮えたぎる湯をなみなみたたえた寸胴より重い精神
なまりのように鈍く愚かな精神
鳥の唄声よりさらに楽しい精神
野良猫のように聡い精神
大音響とともに炸裂する雷のように震わす精神

みな、ここにあり
みな、かつてあり
そしてこれからもありぬ

泥の沼の中でだけやっと平静になれる精神
血みどろの惨劇の中でやっと産声をあげた精神
芝居がかりな昂揚をとことん嫌う天然の精神

えぐりとり、たたきつけ、ふみにじることでしか
己をわきまえることのできぬ、この暴虐の
むこうみずな、自己陶酔の自己憐憫の
どこまでも肥大する自尊心の首を絞めつづける
この醜い、最後の、そして最初でこれっきりの
わたしの精神

病んでいるのはわが精神か
病んでいるのはこの田園か





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価値


のどの奥に指をつっこんで
嗚咽とともに吐き出すようなものが詩ですか
そんな醜いものが、一体どうして詩なんですか
そんなものがなんの役にたつというのです


アメ横の飲み屋街の路地裏に
アメーバかなにかみたいにへばりついている
吐瀉物に対しても
あなたは何かを期待するのですか



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石垣りん

熱帯魚が死んだ。
白いちいさい腹をかえして
沈んでいった。

仲間はつと寄ってきて
口先でつついた。
表情ひとつ変えないで。

もう一匹が近づいてつつく。
長い時間をかけて
食う。

これは善だ、
これ以上に善があるなら……
魚は水面まで上がってきて、いった。
いってみろよ。
『水槽 』
石垣りん




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ぬるま湯の底

人に
言葉を投げかけるときわたしは
不安である
愚鈍であり
臆病である

己に
言葉を投げかけるときわたしは
白痴である
無謀であり
無垢である




結局わたしの興味いっさいは
人である

人の
こころの何かに触れえたわたしの言葉が
わたしの子供が
その頬に紅い何かをもって
戻ってきたときわたしは
幸福である
そのときわたしは
あまりにもぬるい ぬるま湯のなかで
ああ、と息をこぼすのだ
「生きていける」
と思うのだ

甘ったるい夢想のなかに
ほんのひととき
ぬるま湯の底にしずむのだ





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おゆうぎ

あ、からす

いいよ
遊ぼう

そっちはだめだよ
そっち行っちゃだめだよ

もう帰ろう

あ、夕陽だ

真っ赤だ

あ、ハエが

たくさんとんでる

あ、母さん

母さんだ

ねえ、天国ってあるかな?

また明日

明日も友達?

ねえ、死んだらどこにいくのかな?

あ、夜がくるよ

あっちには行っちゃだめだよ

あ、親猫がくる
親猫がくるよ

逃げろ

逃げろ

親猫がくるよ
うしろに夜をつれてきた










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Janis Joplin






むきだしの魂の咆哮





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日記5-4

今日はほぼ一日寝ていました。
体調かんばしくなかったのと、この頃寝不足だったので
休もうと決めて、ずっと寝ていました。
仕事といえば、家の中の掃除と
植木鉢たちの水やりくらいです。
明るい外へ出たのはほんのすこしで
あとはただ、寝呆けていました。

運動不足です。
体重も増えました。
「こうしなくては」と思う生活が、一応あります。
あるにはあるのですが
まったく、何も手につかないのです。

日々がつらいです。
何もせずに終わってしまう毎日がつらいです。
これは休養だ。積極的な休養だ。
次へのステップだ。
そう、頭では理解しているのですが
やはり仕事がないというのは、人に不幸なものですね。

仕事をしたい、と最近いつも思っています。





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父に

この道が
多くの人とすれ違う道だといったのは
あなたです
歩む者の
とても少ない道だといったのは

自分とおなじ方向へ
歩んでいく人の少なさも
それゆえのさみしさも
すべてわかっていたことなのです
そんなことはすべて

だれのあとも追わない
だれもあとに従えない
自分だけの歩度で
自分だけの調子で
歩んでいくのですから

あなたがいったのです
それでもおまえはその道をゆけと
それを支持だけはしてやるからと
やっとぼくがその道をゆく覚悟を整えたというのに
あなたはもういないぢゃありませんか

あなたがいったのです
多くの人とすれ違うさみしい道に
おまえは生まれてきたのだと
だからその道をゆくしかないのだと
泣きじゃくるぼくに あなたがそういったのです




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なかった四月

三月の半分と
四月の全部をつかって
ぼくは
自分をとり戻そうとしていた

それは
惨憺たる苦悩と
激しい戦闘との日々だったけれど
友人はそれを一言であらわした

「 」

その言葉に
ぼくは安易にうなづいて
一緒になって笑ったが
こころはいっそう 乱れていた



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おもひで

十五歳、心の中に悲鳴があった
彼はその悲鳴にとらわれまいともがくことが
まったく無意味だということをもう知っていた

十五歳、力に満ちた腕をふりあげた
その先に破壊の夢だけを求めていた
人を傷つけることはまったく無意味だった

十五歳、自分を傷つけることにも倦んでいた
夏の日の午後は酷薄だった
彼はいたたまれなさだけをポケットにしまっていた

十五歳、はみだした腕力がはね踊った
白く明るすぎる廊下で
彼は逃げ場をついに失った
突き刺すように
壁をなぐりつけた
皮がだらしなく剥け
そのいくらかを壁に残した
血がくすぐるように滴り
色のない廊下の床に散った

十五歳、耳はまるで聴こえないように見えた
いくつかの教室から漏れていたいくつかの声が
一斉にとまり
それとほぼ同時に
いくつかの顔が
ぬらりと廊下にのびてでてきた
それらの顔をみて彼はつぶやいた
「まったく、さえねえ」

十五歳、もう一度ありったけの呪いをこめて
壁をなぐった
もう一度
自分の内側にある爆発音に
まったく似ていないその音に
絶望を感じながら
もう一度
廊下の
明るすぎて色を失った床に
執拗に血がとび散った
女生徒たちの喚声
仲間からのあおり
好奇、侮蔑、怒り、羨望
ぐちゃぐちゃに織り交ざった視線が
彼の背中にちくちくささったものの
彼はまったく意に介すことないと演じ
もう一度壁をなぐった
すでに壁は血だらけだった

十五歳、そろそろ骨が見えやしないかと
期待しながらこぶしを見る
ガクガク震えている
「救えねえ」
つぶやく
教員があつまり彼を囲んだ
白い夏の陽は酷薄だった
彼にはなんの関係もないところで
太陽が燃えていたのだ
一人の教員が彼の肩をわしづかみ
強引にひきよせた
教員はそこに予想を裏切る表情をみた

十五歳、憎しみだけを原動力にして
怒りだけを方法としてあがいていた
それは狂った餓鬼の顔ではなく
迷子の、餓えた、泥まみれの、子犬のそれだった
教員がそう思ったことに、彼は気づいた
これ以上の侮辱はないと感じた

十五歳、頬にひとすじ、涙がこぼれた
体をからめとろうとするいくつもの腕を
おしのけ、すりぬけ、彼は逃げた
どこへいくんだ
教員の怒号に彼は答えた
「自らの静脈管の中へです」
それは声に出さなかった
声に出しても仕方がないと思ったからだ

十五歳
まばゆいばかりの生の輝きと
自殺への狂おしい衝動が
平気な顔して共棲していた
彼はまだ
自分を狂人だとは思わなかった
この世界が狂ってるのだと
信じて疑いもしなかった
血をたらしながら
廊下を歩く彼のあとを
追う友人のひとりとてもなかった






『瓦が一枚はぐれました
これから春の日の夕暮は
無言ながら前進します
自らの静脈管の中へです』 ――中原中也





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茨城のり子

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
『自分の感受性くらい』
茨城のり子




なにかと「時代のせい」にしがちなぼくを
殴り飛ばしてくれるような、まっすぐな拳がすき。




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つつじの花

月のない夜 かんざしの
端にとまった揚羽蝶
揺れる黒髪 うばたまの
宵に酔いどれ夜光虫

宙をまさぐる 蚊柱を
なぎはらう手のその白さ
月もはじらう あらたまの
あづさゆみ射る薬指

うち寄せる波 しろたえの
ころもをといて紅さして
うちなびく春の 岩陰に
蜜ぬすみすてる躑躅花






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日記5-7

明日は病院。
通院はひと月に一回。
二か月間、仕事を休んで(というか植木屋をやめてから)
その間にあったいろいろな症状の変化を
細大漏らさずにまとめあげておいて
短い診察時間に、肝心なことだけを抽出して
話してこなければいけない。

考えなくてはいけないことが多い。
鬱症状はよくならない。
でもそろそろ動き出さなくてはいけない。
明日じっくり相談してこよう。



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報告

環七に 風がふいていました
わるい気はしませんでした
病院にはたくさんの患者たち
別段、どうということもありません

大きな車に小さな車
赤信号に青信号
みんながみんな
春の風のなかにありました

待合室の人たちの
背骨からすける辛さや苦さ
そのとりのぞけないものらもやはり
鈍重な春の中にありました

働くものも働かぬものも
踊るものも踊らぬものも
泣くものも泣けぬものも
みんな 春の中にありました





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借りた本

どれが自分の本なのか
どれが借りてきたものなのか
わからなくなることが
ときたま、ぼくにあるように

どれが自分の考えで
どれが借りてきたものなのか
わからなくなることが
ときたま、ぼくにあるのです

自分の声で話しているときも
自分の言葉とはかぎりません
自分の言葉を探してるうちに
声を失ってはいけません

ぼくは
一生
自分の声で
自分の言葉を語りたいからです





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解体工のうた

とんてんかんてんとんてんかん
遠くからとんかちの音が聞こえる
反対がわからは たぶんこれ
お米をとぐ音 生活への奉仕

とんてんかん
音がやむ
お米の音もやんでしまった
猫がおおきく あくびした

おだやかな午後 いま三時
脳髄からこぼれんばかりの不安やなんか
とんてんかん
あ、また聞こえてきた

とんてんかんてんとんてんかん
いっちょ頼むよお兄さん
その単調なリズムでたたいてよ
春の不安をひるねの夢に
そのとんかちで 眠らせて
とんてんかんてん たたいてよ
なぐるようにさ たたいてよ
ひるの悪夢ならさめるように
ちからいっぱい なぐってよ
とんてんかんてんとんてんかん
とんてんかんてんとんてんかん






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おもひで その二

十五歳は地獄の一季
ちゃんちゃんばらばら
首が飛ぶ
そら、腕が飛ぶ

ふきあげる怒りの泉に
狂気の氾濫
怒涛の懊悩
万歩の譲歩にかわいた唇

十五歳は迷妄のとりこ
どこへいっても
ぶっつかるのは
鏡のむこうでむずかる畜生

少年法たてにむさぼる放縦
親の庇のしたでかいまみる世界
きりとられた世界だそれは
それを地獄と名づけるナンセンス




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わたしを捨てて

わたしを捨ててしまいたい
草むらのなかから花がこっちをみている
たよりなげにゆれるこの花のうえに
わたしをゆだねてしまいたい

ああ
青空は
今日もわたしをおびやかす
外に出てこいとドアをたたく

どんどん
どんどん

ああ
そんなにつよくたたいては
いけません
ドアがこわれてしまいます





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昼の憂鬱

部屋でしずかに本も読めない
明るいそとで汗をながして働けもしない
無我夢中で遊べもしない
ただ時間がすぎていくのを
今日が終わってしまうことを
ひたすらぼんやり待つばかり

生きてるなんてとてもいえない
目的もなく、希望もなく
ただなんとなく
ついでに生きているだけだ
生まれたついでに
なんとなくそうして居るだけだ

かつて発散させたあの
無尽蔵ともおもわれるほど
あふれてやまなかった生命は
いったいどこへ消えたのかしら
主人にないしょでこそこそと
夢のむこうへいったのかしら
わたしに黙って去ったのかしら

わたしは
ただ
元気に
なりたい






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咲くかしら
わたしの蕾

春がき
夏がこようとしている

わたしを膨らませる
希望も期待もなにもない

咲くかしら
わたしの蕾






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くもりぞら

いまにも雨が降りだしそうな今日の空の色は
ひとりで下校するかぎっ子のこころの色によく似てる
それはとおい時間をあるくわたし
それはとおい記憶のなかの誰か

傘ふりまわして紫陽花の花を散らかす
身構える野良猫にとっさの戦慄
まるで鏡みたように こちらも背筋を凍らせる
みんなより少しだけ早くかえる 通学路

栗の花のにおいがたちこめている
ランドセルは変にかるい
下敷きにされたふたつの肩甲骨には
おし潰されたつばさがある

まだ誰にも似ていなかったわたし
まだなにものとも繋がらない栗の花
まだ何も知らなかった午後の空
まだ雨も降りださない午後の空





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書きかた

世間への
サーヴィスとしての
芸術なら
いらない

おもねる詩なんて書きたくない
詩で哀願なんてナンセンス
時代に迎合 芸がない
自尊心のために書くのぢゃない

言葉は普遍かもしれない (どうでもいい)
いつかあなたがいったように (お忘れですか)
ぼくはそれに唾つけて
実にふべんだと言ったっけ

便利じゃちっとも つまらない
便利じゃちょっとも おもしろくない
始発と終電がいっしょにくるなら
ぼくはどこへも行けないぢゃないか

いくつもの傷ついた魂の
時代をいきぬく術をもたない
孤立する魂のその美しさに
わななく胸からうたいたい
そんなうただけを ぼくは尊ぶ
「詩の書き方教えます」?
いや、よけいなお世話だ
どうか ほっといてくれたまえ






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しずかに

しずかにくらしたい
できれば
ひらがなだけでくらしたい
はるの ひるの すべりだいには
だれもいない
うえられた
かえでの
あたらしいはっぱのさきに
てんとうむしがとまってる
かぜにそよいで
なんだか
ぼくのくらしをわらっているようにみえる

できれば
しずかにくらしていきたい

いかりや
ゆううつや
あせりや
いかりや
それらすべてを
むねにかかえていたとしても
はるにふく このかぜのように
どこまでもしずかに
ふきわたっていたい




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泥の穴

ある人が農場の前の道を車で走っていた。
するとタイヤがぬかるみにはまってしまい
うんともすんとも、動けなくなってしまった。
そこへ農場主がやってきて
「5000円払ってくれたら、そこから引っ張り出してあげよう」
と言って手を貸してくれた。
「今日だけでも、おたくで10人目だから、タダではさすがに
手伝ってはやれないのでな」
「それじゃあ、いつ農場の仕事をしてるんですか?夜ですか?」
と聞くと、農場主はこう答えた―――
「いやいや、夜はここに水をまくのに忙しい」




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八木重吉

雨のおとがきこえる
雨がふっていたのだ
あのおとのようにそっと世のためにはたらいていよう
雨があがるようにしずかに死んでゆこう
『雨』
八木重吉







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古くなる

あたらしい緑
あたらしい風に包まれるとき
自分だけが古くなっていることに気づく
戯れに ブランコを漕いでみる





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きっと起きるのがはやすぎたのでせう

裏庭で
あじさいがぐんぐん育つ
義母がもってきた
鉢の木だった
裏庭の
湿り気のある土に植えた
倍に育った
今年はさらに
倍に育った
昨夜の
ざんざん降った雨のなごりを
あじさいはまだ装っている
あじさいを見飽きて
まぶたをすうっとさげてみる
頭がぐるぐる回っているのは
きっと
起きるのが早すぎたせいぢゃないですか





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どこへもいかない

飛行機の空気をつんざく音
だれかがどこかへ向かっている
踏切のカンカンこわい警告音
だれかがどこかへ向かっている

空をみあげ
飛行機をみおくる
遮断機のまえで
電車をみおくる

きょうもぼくは光に目をくらましながら
ここにいる
どこへもいかない
人生の交差点のひとつで
たちどまり
信号のかわる様子をみおくっている





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標本

後頭部に南京錠
右手にはその錠の鍵
カチャリとあけて
ひっくりかえす
ほこりかすがばさばさでてくる
そのほこりのすきまからこっちを見ている
なにやらを
とっつかまえて
ちいさな釘で刺しつらぬいて
ぼくは標本をつくっている

いくつもいくつも
似たような標本をつくっては
それをときどき眺めたりしている
なんの役にもたたないこれらの採集は
部屋のすみっこにうずたかく積まれてある
役にはたたないけれど
それでもこうして採集してやらなければ
ぼくのあたまはほこりかすがたまりすぎて
風船みたくふくれあがって
そのうち破裂するとおもわれる

脳みその掃除をするものだと思って
仕方がなしに
きょうも南京錠をかちゃりとあけて
ほこりかすをぶちまけるのだ







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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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