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date :2014年04月25日

  • 2014.04.25(金)
  • 4-25

夜の息子

タナトス

夜が産んだ子

眠りの兄弟

鉄の心臓


斜めにさす陽光に

風におどるカーテンに

青々しげる芝山に

規則正しい電車のリズムに


君の横顔を幻視する

タナトス

君は眠りのとなり

夜の館にすんでいる


ときどきぼくの

すぐうしろまでやってきて

この太い首筋に手をそえて

髪をひとつかみして笑う

引きつる喉をなんとか操り

「いつだって、いいんだぜ」

絞り出すようにぼくは言う

これまで、何度も、そう、何度も!

苦虫噛みつぶした顔で、なんとかほほえむぼくを

君は大いに嘲笑して去る

君は大いに嘲笑して去る!




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4-25

最近、夢を見るのが怖い。

おそろしいほど、感情をかきみだす、この頃の夢は。

決まって、1時から3時までの間に一度、目をさます。

睡眠剤によろめく足で台所へ行き、たばこに火をつける。

その時点ではまだ、ぼくの肩に夢魔がいる。

トイレで一息、はあーっと吐いて

ふとんにもぐりこんで、祈るように眠る。

毎晩、少しづつ、体から「ぼく」を乖離させ、

薄く、向こうが見えるほど薄くスライスされたハムのように

1mmずつ、気づかれないように、そっとぼくを盗んでいくような。

明日にはぼくはさらに「薄く」なり

そのうちきっと、消えてしまうのだ。

体と、萎縮した脳と、命が残り

呼吸と、脈拍と、喘ぎが残り

記号としてのぼくが残り

「ぼく」はどこかへ消えてしまう。




薬は欠かさず飲んでいる。

運動もし、摂食も慣れてきた。

現実に、一歩ずつ、ゆっくりと歩をすすめながら

背中の目で、ずっと後ろを睨んでいる。

「いやだ、そっちには行きたくない」

背中の目が叫ぶ。悲痛な声で。

「ぼくの見ている方へ!ぼくの見ている方へ!」

かまわず、ぼくは足をまた一歩、前へ送る。

気のせいだ。わずかな気のゆらぎだ。

大丈夫。ここを進んでいけばいい。

奴のいう事を聞けば、ろくなことにならない。

「いやだ、そっちはいやだ!」

ぼくは走り、食い、眠る。

体重の減少を記録し、今日という永遠の瞬間を放棄し

明日に向かって歩く、歩く、歩く!

盲のように!!

聾のように!!

事実ぼくはそうなのだ。

何も見ず、何も聞かず、

影法師だけをチラチラ見つつ

ものも言わず、歩いているんだ。



何処へ??



妻の涙のおちないほうへ。

母の涙のおちないほうへ。



それでいいんだ。

それでいいんだ。





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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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