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date :2014年01月17日

  • 2014.01.17(金)
  • 1-17

つばさ

翼があったらなあ、とぼくは思っていた。

だいすきなひとのところへ、飛んでいける。

傷つき、泣いているひとのところへ、飛んでいける。

翼がぼくにあったらなあ!


ある日、一人の魔法使いがあらわれて

ぼくにこう言ったんだ。

「魔法の翼をきみにあげよう。そのかわり君の声をいただいていく」

「話すことはもちろん、言葉を書くこともできなくなるが、どうする?」


ぼくは心底、翼が欲しいと思っていたけど

そこで、迷った。たくさん悩んだ。

そして、きづいた。

ぼくはもう、言葉という翼をもっていたことに。


言葉は、発すると同時に

どこまでも、どこまでも飛翔してゆく。

ぼくの魂をのせて、風にのって、どこまでもゆく。

ああ、ぼくは、翼をもっていたのに

それの使い道もわからずに嘆いていたんだ。

いたずらな、言葉遊びで!


ぼくは言葉に、この声に

自由の翼をあたえよう。

願くば、行くさきで

ぼくの言葉がだれも傷つけぬように!

ぼくの言葉がだれかの役にたつように!

願いをたくして、空へ投げよう。


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1-17

今日は不調だ。下の下の下、だ。

風邪も引きずっている。たいしたことないが。

ずっと、眠っていた。夢ばかりが、百花繚乱。

わずかに起きるのは、薬を飲むため。

重苦しい、脳みそ。棄ててしまいたくなる。

ぎしぎし、きしむのか。

ぐらぐら、煮詰まったのか。

脳みそのなかが、たいへんだ。

夢ばかりが、饒舌。

目覚めればしじまのなかに、ひとり沈黙にしずむ。


親方から応援要請きたが

まだ答えられない。

動ける自信がない。

でも、恩返ししたい。

自分と自分のあいだにはさまれて、焦燥ばかり肥える。

はさまれてるのも自分なのだから、わけがわからない。


妻ちゃん帰ってきたから、夕食のしたく。

働いてないから、家事だけはちゃんとやりたい。

今日は掃除できなかったから

ぼくが夕食のしたくするあいだに

妻ちゃん掃除してまわる。

いただきますと、いってから、食卓が暗い。

妻ちゃんを見ると、ほろほろ、涙をこぼしている。

「頑張っても、頑張っても、あなたの病気がよくならない」

ぼくはまた、沈黙の底にしずむ。

何も言えるわけがない。

ぼくは、ぼくの闘病から逃げていない。

必死で、生きている。

彼女は懸命にそれを支えている。

お互い知ってる。だから、ぼくは、何も言えない。

何も言わない。

ぼくも彼女もわるくないはずだ。

ただ、睨む。

言葉のかわりに、透明の視線で斬りつける。

ぼくにつきまとう病魔のつらを、まっ正面から睨みつける。

こなごなに、切り刻んでやる。

骨も残さない。

こなごなにしてやる。絶対だ。

貧しくも懸命に生きる我らの食卓に

よくも涙を落とさせたな。

ぼくの妻に、よくも涙を落とさせたな。

彼女には、何も言わない。

でもぼくのこころは、沈黙しない。

いまも、叫んでる。

絶対に、屠る。戮す。めちゃくちゃにしてやる。

ぼくにまとわりついたことを後悔させてやる。

ぼくは絶対に負けない。

ぼくのこころは、ぼくのものだ。

思うままになると思うな。

こなごなにしてやる。

こなごなにしてやる。





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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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