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date :2013年09月13日

とびいり新入り。

明日(もう今日か)は父の通夜。

父の通夜、と口にだして見ると、アベノミクス、くらい現実味がない。

なんのことか、さっぱり実感がない。

明日、その場にたって、はじめて知るのだろう。

新しい感情は、あって見るまでわからない。


堀切から、父のいる船堀のホールまでバスを乗り継いで訪ねる。

明日会えるのに、とぼくは言ったが、

妻に「行ったほうがいい」といわれ、すぐ従った。

いままでなん度も、妻の助言を無視して後悔してきた。

妻はぼくのうえいく世間知らずで、勉強もできない。

でも、だれよりもぼくを知っているし、

人間の機微とでもいうのか、芯をしっかりわかっている。

すごい、と最近、毎日のように惚れなおす。


父は眠っているようだった。

部屋には妻以外にだれも見てない。

ああ、なるほど、こういうことか。

父の胸にすがりついた。

明日になれば、とてもできない。

そうすれば、永遠にこの機会は失われる。

そういうことだったのだ。

父さん、この人いれば、ぼくは大丈夫のようです。

安心してください。

ぼくは男になれそうです。



それから礼服の新調、夕食。

いそいで帰る。

わけがあった。

いきしな、とある中華料理店のわきに人だかりができていた。

子猫だった。

ものかげにかくれて、姿はみせない。

おびえてるのか。さみしいのだろう。

あの声は、表現できない。

ガード下なので、電車が通るとかきけされる。

小さなちいさな声だ。

おばちゃんのひとりはそれを「悲痛」といった。

どうやらその人がこのサークルの中心らしい。

すぐそこにあたしの家があんのよ
今日一日ずっとないてんのよ
もう胸がしめつけられちゃって
親猫が帰ってこないのよね

マシンガントーク。

そこで数人のおばちゃん(みんな赤の他人)とぼくらで会議。

話の流れで、その中心のおばちゃんがぼくらに頭をさげた。

連れかえってやってください

えー、ちょっとまってよ。うちにはもうふたり猫がいて、

そのこたちだってまだ甘えたい盛りなのだ。

ぼくは収入減ってるし、とても無理だよ。

んー。

でも、やっぱり、ほっとけない。

妹が、猫を飼いたがっていた。

聞いてみるか。

いずれにしても、まずは父との面会。

おばちゃんに、いまから大切な用事をすませてかならず戻るからね、

と約束して(なんでだ?)、頭をあげてもらった。

もう、こうなっちゃうと、ぼくはダメだ。

ぼくがやるしかない、と思ってしまうのだ。

だから、いそいで帰った。すっかり暗くなっていた。

もういないかもしれない。

先刻のおばちゃんたちのだれかが連れ帰ったかも。

おそるおそる料理屋のわきをのぞく。

ねんいりに見渡しても、猫の姿はない。

諦めて帰ろうとしたときに、電車の音が途切れて、聞こえてきた。

声をたどる。

いた。予想以上にちいさい!

絶対に連れて帰ると、きめた。


およそ二時間にわたる、夜の捕物ばなしははぶいて…。

最後はその中華料理屋の店主と、お姉さんが出てきて

あの手この手で、ようやく確保。

せまいところに、寝そべって、ぴーんと手をのばしてやっとつかまえた。

ぼくは汗ぐっしょり、ほこりまみれ。

みんなそれ見て笑った。妻はあとで褒めてくれた。よくやったっ


おびえる子猫を段ボールで我が家へ移送。

玄関あけると、先住猫さん大恐慌。ごめんねー。

お風呂で泥やホコリを落とし、ノミ取りシャンプーして

撫でながら全身ふきとり、たくさん話しかける。

そのあいだ、妻ちゃん、先住猫にお許しをもらう交渉。

体が乾いたら、そのままお風呂場でミルク。

時間をかけてちょっとずつ飲む。

安心してぐるぐるノドを鳴らすようになったその子を見て

ああ、この子はぼくなんだ、と思い、

我慢してたものがホロリ。







名前はみん。

中華料理屋の名前をもらった。

妹から連絡。

49日終わったら引き取るって。

でも、そのころには、妻ちゃん手放せないかも…。



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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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