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date :2013年09月02日

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涙のパン。

涙とともにパンを食べた者でなければ、人生の味はわからない。

If you’ve never eaten while crying you don’t know what life tastes like.
ーーーJohann Wolfgang von Goethe


ドイツの詩人、
ヨハン・ゲーテの有名な言葉。

別に小難しいことじゃない。

実感として。

下町の赤提灯でしこたま酔っ払った大工の棟梁が、くだまいていわく

「一人で泣きながらよぅ、手酌酒もしたことねえやつなんかによぅ

人生の、酸いだの、甘いだのが、わかるかってんだよ、おぅ

なぁ、飲もうぜ兄ぃ!…飲もうぜ」

そんな言葉だ。


人生の妙味はそこだろう。

かなしみやいかりで、食欲がなくなることはあるが、

それでもいま生きてるということは、

めしを食って、命を繋いできたからだ。

死ぬほどのかなしみやいかりのなかで

涙をとどめ得ぬまま、めしを食らう。

暗闇のなかで、目だけがにぶくギラつく。

明日を睨みながら、

あるいは憎悪のなかで、

あるいは嫉妬のなかで、

あるいは屈辱のなかで、

狂うほどの感情の洪水のなかで、それでもめしを食う。

いますぐにでもしんでしまいたいほどやつれてなお

生きてやる、という、絶望的な本能が咀嚼をつづける。



そんな体験のことなのじゃないか。

ここにはひとつの、徹底的な真理があるように思う。

当たり前すぎて、哲学の話題にも(あまり)のぼらない。

生きるために、絶対必須な、「食う」ということだ。


(一度脱線して、長々書いたが、おもしろくなかったので削除)


自分がどれだけ深刻にぐずぐずしていても

生きようとする強烈なものが、自分の中にはある。

強制的な力でもって、ぼくらを生へおしかえす力がある。

それが命ならば、

ぼくの命は、ぼくとは無関係に存在している様にさえ思える。


いわく、

「人は皆、生かされているのじゃ」

誰に?何に?

お百姓さんに、というなら首肯する。

が、この言葉はどうやらそういう意味ではない。

自然に? なんぼ自然が偉大だといっても、お百姓さんがいなければ

コメは食えぬ。

神に? ははっ。


右の耳でこのような声を聞いていれば、

必ず左の耳がまた別の声を聞く。

いわく、

「人はパンのためのみに生きているのじゃない」

そうだろう。それは当然じゃないか。

キリンは首が長いだけじゃない!と、そんな得意そうにいうことかいな。

(またもや、脱線。もう、いいや。脱線してこそ)

「生きることは食うことじゃ」

まだ遠い。

「食うために働くのか、働くために食うのか…」

これはシェイクスピアではない。

新橋の、ガード下の、吐瀉物だらけの、汚いラーメン屋で、

安い酒に頭が割れんばかりに痛みながら、つぶやく男のdeception




わるふざけになってきた。もうやめよ。


食うことは、恥ずかしいことじゃあ、ない。





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いのち

自分は不真面目だ

いのちに対して、不真面目だ



いのちは

不意に消えてなくなる

そのことを

忘れてはいけない、片時も


きょうもバカヅラひっさげてバイトへ

休憩中にメールをみて

走って早退

父の

心臓がとまったというしらせ



妻は

ずっとまえに父を亡くしている

だから、ひごろから

後悔のないようにと

ぼくをさとしていた

ぼくはわかったような顔でいた


今日でさえ、遅すぎるのだ




病院にすべりこむと

父はICUのなか

なんどもなんども

電気ショックと心臓マッサージをくりかえし

なんとかいう注射をうち

麻酔をかけて

なんとかいのちをつなぎとめている状態だった



葛西の病院までの道が混んでいてよかった

すいていたら、ぼくはたぶんバイクで転んでいたと思う



何時間、そばにいたかわからない

妹がきて、姉と義兄がきた

おいとめいは、まだなにもわからないのだろう

ぼくの顔をみて無邪気にほほえむ

妻もきた

白衣が足りなくなったので

一度ICUのそとへ

頭は白紙




面会時間残り3分

皆がでてきたので

その白衣をかりてもういちどなかへ

父の手を握ると

はじめて目をひらいた

話しかけると、うんうんと

弱々しくうなづく


ほそく、よわくなっちまった

あんなに強かったのに



家にかえってきても

なにもできない

ただ、いまのことを

かきとめておこうと思った




ぼくは、いのちに対して

あまりに不真面目だった



まったく、だめな息子だ



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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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