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category :怨恨歌

聞くのならぜんぶ聞け

ぼくの病気のことを
ネホリハホリ 不必要に
まるで尋問のように
聞いてくる人が目の前にいるとき
ぼくのあたまには大きな大きな疑問符がおどる



あなたは正常なのですね
あなたは何が聞きたいのでせう
何が聞きたいのか
ぼくはそれを知っています

好奇心だけで人のこころを
どこまでのぞけるか試してみますか
でも
入口あたりでもう満足
すぐに勝手な結論をつけて
注釈くわえなすって ほら嘆息
ぼくのための嘆息とおっしゃるけれど
それあなたの身勝手なむりやりの解決

そんな場面にもうなんど
うまれてこのかたもうなんど
そしてこのさきいったいなんど
立ち会わなければいけないのです
愛想笑いももうよしませう

聞きたきゃ聞いてくだすっていいんですよ
でも答えはいっしょでしょうね
ぼくがどう答えるか関係ないんです
あなたのその眼鏡のいろが
もう答えを仮定している
あなた独自の処方箋を書きたいンです
独自と思うンならあなたのエゴ
ぼくには「何度も繰り返した茶番」

言いたいことおっしゃって
スっとするあなたの顔をみて
透明な中指つきたてるぼくを
想像できないほどにあなたは健康でしょう
あなたがあなたの健康を確かめて 誇るために
ぼくは病人でゐるのぢゃない

「働かないトネ」
そうですね
笑ってしまいます
働きたくとも仕事がない
病気というと門前払い
もちろんメンドウな注釈つきで
そんなご経験ないのでしょう
だから簡単におっしゃるのです

自分だけがオヤ変だ
まわりとどこか違います
ナンダコレこの違和感なんでせう
ねえみなさん なんで満足できるのです
ぼくはひとり
ちがうものを見ているのですか

なんで怒らずにいれるのですか
なんで悲しくならないのですか
なんでそんなに冷静でいられるのですか
コントロールできない感情に
みずからを焼け焦がしたことはないのですか

夜中にベランダで煙草をプカリ
ふかしながら死にたくてひとりで泣くンです
こどもの頃 夏の青いプールでプカリ
水死体のまねしてひとり浮かぶンです
まわりのみんなのかきたてる波が
否応なしに右に左にぼくをゆさぶるンです
そしてそのままどうやら沈んでいくンです
もう浮かび上がっていかなくてもよいと
ざらざら 痛い プールの底で
ぼくはやっとひとりニコリと笑うンです

知らないのでしょう そんな世界
ここはあなたがたの世界ですもの
ぼくにはあまりにも生きづらい
それを聞くのなら最後まで聞け







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改造

テレビにでてくる
「美女」のようになりたくて
お金をためて
都会にでてきて
田舎娘のその純朴な
ほほやまぶたに
札束くさいメスが入る
複製の美女がまたひとりふえて
社会に金がのみこまれてゆく
その金は
娘が懸命に稼いだもの
時間とからだを売って得た
血のような金なのに
それを払ってまで
個性を棄ててまでして
得たものは
画一的な「美」の鋳型
(それは人でない、工業製品としての美だ)
着せ替え人形になりたいだなんて
あなたはだれなの
目はもっと大きいほうがいい
鼻はもっとかれんにしたい
口も、ほほも、顎も、ぜんぶ
取り換え可能なパーツみたいに
いつか子供がうまれたら
田舎娘のころのあなたに
さぞ似ているだろうその子供に
あなたは何を語るのだろう

ペットショップにならべられた
「かわいい」子猫や「あたらしい」子犬
その裏に積み上げられる無意味な死
それはおびただしい量の無慈悲な廃棄
ひとの道楽、ひとの快楽に供される
あわれなみにくい失敗作の数々
その血、その臓物、その眼球
のらで生きる猫でさえ
そんな悲惨な目にあうものか
故意の畸形に「愛を注ぐ」とおっしゃっても
それは正気の沙汰じゃないし
ふんぞりかえって道をあるく散歩中のあなたは
美の、中流階級の鋳型にからだをまげて押し入って
ほんとうに みにくい
鎖はあなたの首にあり
それを「美」の犬がひっぱっているのだ

表面だけをとりつくろって
中身には汚い怨嗟や嫉妬
とぐろまく我利我利
金さえあれば別人になれる
ヒューマニティなんて存在しない
オリンピックがくるときまって
看過されてた場所にもメスが入り
乞食どもは追い出されると嘆いてた
乞食に家と職をあたえる工夫をせずに
客がくるときだけ押し入れに閉じ込めようとする
福島の復興を考えずに
原発のセールストークばかり考えている

日本人の汚い根性が
この時代におおきく
おおきく花ひらいている

美しい日本
おくゆかしい日本
ほろんでしまえ
卑屈な
惰弱な
保身のばけもの
いつまでもその醜さをさらすな







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自己紹介

偕誠

Author:偕誠
a.k.a.破裂
1983年生まれ。
東京都在住。
双極性障害と苦闘しながら
詩作に励んでおります。


※拙文ではありますが著作権は当方にあります。
無断転載等はご遠慮くださいませ。

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